【神奈川県小田原市】e-sportsが熱い|小田原市 #2

新しいことに取り組むということ

odawara e-sports


–今回は企画したあと実際に取り組むまでを教えてください


宇佐美さん
まず、行政として動くためには「予算」が必要です。行政の予算については「市議会」の承認が必要なので、説明は丁寧に行いました。

–イメージですが、何か大変そうですね

宇佐美さん
いえ。これがそうでもなかったんです。というのは、市議会の反応はおおむね好評でして。

–どんな反応だったんですか?

宇佐美さん
まず、説明としては前回のお話の通り、「若者に対してe-sportsを通じて観光や活躍する場を作りたい」ということを伝えました。
議会では「新しいことに市が率先して取り組むのは素晴らしい」と賛成して頂ける議員さんが多かったんです。中には大会があったら自分も参加したい、と言ってくれる議員さんもいまして。

–それはいい反応ですね。

宇佐美さん
はい。ただ、議会だけでなく各方面に説明するなかでは、市が「ゲーム」をする時間を長くするような取組をするのはどうか?という意見もありました。ある調査では神奈川県内で子供のゲームをしている時間が多いとする市に小田原市がランクインしているようなんです。

–実際の調査の結果からの反対意見もあったんですね。そこにはどういった説明をされたんですか?

宇佐美さん
子供がゲームをすることについて賛否があるのは当然です。ゲームをする時間についても、とある市で規制をする条例案が出たことも知っています。ただ、それはゲームが持つ一側面にすぎません。小田原市がやりたいのはe-sportsというゲームを通じて若者の活躍の場をつくりたいという事なんです。

–活躍の場ですか?

宇佐美さん
はい。勉強ができる、足が速い、スポーツがうまい、と同じように「ゲームがうまい」ことが得意分野として人に認められるようになれば、子供の活躍できる場が広がるということにつながると考えています。こういう説明を続けていくことで、最初反対だった方からも賛成を頂けるようになりました。

宇佐美さん


–まさに丁寧な説明が人の想いを変えたんですね。その他に何か工夫されたことはありますか?


宇佐美さん
これも財源づくりの一環なのですが、国の補助金で「地方創生推進交付金」へ応募して認められたり、小田原市のe-sportsの活動に共感して頂いて企業版ふるさと応援寄付金で寄付もして頂きました。
また、Twitter企画で「スペシャルな観光体験を提供する自治体にふるさと納税をする」というのがありまして、これは応募するしかない!と参加し、納税をして頂きました。ちなみに神奈川県内で小田原市だけだと思います‼︎


–やはり何かを立ち上げることは大変ですね。実際に動いた現場のお話も聞かせてください。


宇佐美さん
e-sportsに取り組むことは決まりましたが、いざイベントをやるとなると、なにをしたらどのくらいの集客力になるのか未知数でしたので、まずはプレイベントをやってみようと思いました。
そこで2022年2月に「小田原e-sportsぷよぷよの陣」と題したでぷよぷよの体験会を行いました。コロナ禍で「まん延防止等重点措置」真っ只中でしたので、イベントのPRも出来ませんでした。


–それは不安な船出ですね。

宇佐美さん
それがうれしい誤算でお客さんが結構来てくれまして。またアンケートの内容もすごく好感触だったんです。ファミリーの参加者も多かったし、とにかくe-sportsに手ごたえを感じられたイベン
トになりました。そこで11月には『小田原eスポーツ~出陣式~』を小田原城で行いました。

ポケモンユナイトの体験会


当日はポケモンユナイトの体験会で盛り上がることが出来ました。
ポケモンユナイトは5対5のチームを作って競うゲームなので、会話をしながらでないとできないゲームなんです。みなさんコミュニケーションを取りながら楽しく参加して頂きました。
会場では今後の展望をプレゼンさせて頂きました。


–すごい盛り上がりですね。


次回でこのインタビューも最終回です。今後の展望について教えてください。

#3に続きます。